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Mon.

vol.141 留守番電話がなかった頃

 留守番電話、文字通り電話が留守番をしてくれる。私が写真の仕事を始めた頃はこれが無かった。つまり電話が留守番をしていてくれないのだから、こちらが留守番をしなくてはいけない。どういう事かというと1日中電話の傍を離れられないという事だ。
基本的に仕事の依頼は電話で来る。レギュラーの仕事を持っていない私に来るのはイレギュラーの仕事。つまり予定していたカメラマンが事故や病気そのほか海外に行って帰れなくなったり、親が病気したり、その他のっぴきならない事情で現場に来れない、そんな時が私の出番である。
つまりいつ仕事が来るかわからない。いつ電話が鳴るかわからない。だから電話のそばを離れられない。春はまだいい、夏はクーラーの無かった私の部屋は地獄である。ジリジリと暑くなる部屋でひたすら電話の鳴るのを待つ。でもまぁ今思えば色々な仕事が出来てよかったと思えるけど。当時は本当にツラかった。今でも電話が鳴るとビクンとするのはその頃の後遺症である。
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Fri.

vol.140 大事な事は頭で考えない

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 優れた演奏家は楽譜を見て指を動かすタイムラグが無い。つまり、譜面を見たときに指が動いている、それもとても自然にそうなっている。これはクラシックでもジャズでもポピュラーでも民謡でも、その他あらゆるジャンルの優れた音楽家は等しくそうであると思う。
 頭で1度考えて、ああしよう、こうしよう、ここはああだから、こうだからとなってしまっていては遅い。そこから大事なエッセンスがぬけてしまう。
 セシル・テーラーというジャズピアニストがいる。ジャズと言っても彼はフリーインプロビゼーション、つまり自由な即興演奏家にもかかわらず、聞いた話だとやたらリハーサルが長いそうだ。フリーのソロピアノなのに、何時間も前に会場入りして延々1人でリハーサルをするそうで、即興なのになんでリハーサル?と思うけど、そんな所がいまだにこの世界の第一人者とされている秘密かもしれない。いつだって頭で考える前に結論を出す。そしてその為に準備を怠らない。そうありたいです。
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Tue.

vol.139 時代のキブン

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 写真を始めたのはいいが、本当の所、どうとっていいかわからない。何がいい写真か悪い写真かわからない。今さら学校に行く気も、お金も、ヒマもない。そうだ、人に教えてもらうことにしよう。どうせ教えてもらうんなら日本でも最高とされる人達がいい。
 そこで写真界の大御所とされる人達のスタジオに行き、写真を見てもらう事にした。電話でアポを撮りその旨を伝えると、さすが大御所である。快く時間を作ってくれた。そして共通して言われた事がある。それは、「何を表現したいの?」「何を伝えたいの?」という事であった。
 これには困った。言われてみると写真が表現手段である以上伝えたいものは的確でなければならない。それがプロというものだろう。くちごもってモグモグしていると、「まず、そこを考えなさい」と諭された。そして考えた、ここはきっちり考えないとわざわざ時間を作ってくれた先生に悪い。そして、自分なりに出した結論が「時代のキブン」というものであった。掲載している写真はその当時のものである。
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Sat.

vol.138 ウィッシュボンのジミーさん

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 新宿のコマ劇場が取り壊される、その事に別段感慨は無いが、地下にあったカントリー専門のライブハウス「ウィッシュボン」が無くなってしまったのはとても残念な事。私がたまに行ってた頃もカントリーミュージックのブームはとっくに過ぎ去っていたけど、そのブームの中心にいた人たちがたまに出演していた。
 日本の音楽シーンの中にはカントリー出身の人がほとんど。大学えカントリーをやり、卒業しても就職せずにそのままオンg買うを続けた。つまり、続けられたのはお金持ちのボンボン達だった。
 だkらその頃でもカントリーのミュージシャンは品がよく、育ちのよさが感じられ、実にカッコよかった。なかでも私が好きだったのは「ジミー時田」。白いテンガロンハットに白いブーツ、ブルージーン(Gパンではない)にヒラヒラの付いたジャケット、そしてライブの第一声が「イョーオ」。あの頃、「ウィッシュボン」でジミーさんの歌が聞けて本当によかった。そして、あの頃はいろんなジャンルで山になる人がいたんだと今にして思う。
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Thu.

vol.137 スズキのバイオリン

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 一時期、楽器のクリニックが流行った事があった。ヨーロッパの一流演奏家に日本の子供たち(小学校高学年から高校生くらい)が楽器を習う。ピアノやバイオリンが多かったが、時には管楽器なんかもあって、そんな取材はとても楽しみ。何故って、一流演奏家の音をダイレクトに聞けるから。
 教わりにくる日本の子供たちも3、4歳からみっちり先生について練習してきた子供たち。本当に子供とは思えないくらいにうまい。で、子供たちが演奏した後、わざわざ同じ楽器で先生がさわりだけやってみる。と、これがなんだか部屋が何倍も大きくなったように音が響く。違うのは音の大小ではなく、楽器の響かせ方の違い。つまり音色の違いなのだ。
 子供たちの音が楽器の音だとすると、先生の音は音楽そのもの。つまり音が音楽なのだ。ピアノは方で弾くとか、バイオリンは持ち方が大事とか教えていたけど、音色は感性の問題。練習してうまくなるとは思えなかった。だってスズキのバイオリン(一般的に安い)でものすごい音出していたもの。
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Mon.

vol.136 キレイな編集部

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 その編集部はとてもキレイでオシャレだった。雑誌の編集部はどこも雑然としていて、天井からヒモがぶら下がっていたり、ワケのわからないグッズが置いてあったり、資料が山積みで今にも崩れそうだったりで、整然としたその部屋にとても驚いた。
 入口にはなにやらキレイな石が置いてあり、ライティングまでしてある。あちこちに観葉植物、打ち合わせは白いテーブル。デザイン関係の雑誌社なのでこうなのかなぁなどとぼんやり思っていたら、真っ白なソーサーに真っ白なカップに入ったコーヒーが出てきた。
 打ち合わせに入ると理路整然、ムダ口が無く、テキパキと説明に入る。その説明がとても的確で理解しやすい。一息ついてあたりを見回すと何故か女の人が1人もいない。不思議に思って尋ねると「ウチは全員ホモセクシャルなんです」とキッパリ。なるほどなぁ。そういう人たちって怠惰な自分を許さないって言うものなぁ、だからこんなに部屋がキレイなんだ。帰ろうとすると、こう言った。「ところであなたは普通の人?」
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Fri.

vol.135 水道橋スイング

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 東京、水道橋には小さな出版社が多い。そんな出版社の1つでグラビアの仕事をする事になり、会社を訪ねるといくつもの電話がある、そしてその電話にそれぞれ紙が貼ってある。週刊○○とか漫画●●とか書いてあり、社員はその電話が鳴ると、その紙に書いてある誌名を言っていた。こちらの電話が鳴れば「ハイ、週刊○○」、あちらの電話が鳴れば「ハイ、漫画●●」といった具合に。
 そんなセコイ会社の仕事だったが、打ち合わせの後の楽しみがジャズ喫茶「スイング」に行く事。ジャズは大きく分けて「スイング」「モダン」「フリー」に分かれるが、「スイング」の専門店は日本でもここだけ。レンガがアクセントの明るく洒落た店内に上品なマスター、アルバイトの若い男が1人いた。
 明るく陽気な1930、40年代のジャズは暗くなり勝がちなこちらの気分も明るくしてくれる。
 村上春樹がここでアルバイトをし、奥さんとも知り合ったのをしったのはそれから何年も先の事。だから「意味がなければスイングはない」って本だしたのかな。
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Tue.

vol.134 一升瓶のワイン

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 「今日はウチ行こうか」大手広告代理店のディレクターを打ち合わせに尋ねると、そう言った。2人で会社を出ると「デパートに寄ろう」と言う。地価でたくさんの生ガキを買うと地下鉄に乗る。駅から5分ほどのアパート。日当たりが悪そうで、かなり古びている。2階の1室に入ると6畳2間、そこに自分で作った大きなテーブルがポツンと置いてある。
 窓を開けると外に吊るしていた一升瓶に入ったワインを取り出す。「これ甲府ワインなんだ」そんな事を言いながら、買ってきたカキをドンブリに空ける。贅沢なのか貧乏なのか、どう対応していいのかとまどっている私に、離婚して家や車を奥さんと子供にあげてしまった事や、ドイツでのライン川下りやビアホールの話を(ヨーロッパの航空会社をいくつか担当していた)してくれる。
 そして1人でほとんど一升瓶のワインを飲んでしまうと寝てしまった。帰るに帰れず部屋にあったその人が作ったヨーロッパの航空会社のポスターを見ながら、いろんな人生があるんだなと思った。
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Sat.

vol.133 ジャズ喫茶の女神

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 たまに東京に行くと必ずジャズ喫茶に行くことにしている。その店に言ったのは30年振り、以前によく座っていた席を探すが、さすがに模様替えをしていてその席はなく、スピーカー近くの席に座る。
 あれから30年、本当にそんなに時間が過ぎたんだろうか。私は少しは変わったり、成長したちしたんだろうか。時間が単に過ぎただけなんじゃないだろうか、などと感傷的になっていると、後からガヤガヤ女の人の声がする。振り返ってみるとフツーのオバサンが3人。近くの席に座った。ペチャクチャうるさく、聞くともなく聞いていると「あの頃」とか「30年振り」とか聞こえてくる。
 どうもあの頃、この店でウエイトレスをしていた3人らしいのだ。えっ! あの頃のジャズ喫茶は美人ウエイトレスで持っていた。後年、どのマスターも「ウエイトレスさえ美人なら店は大丈夫」と言っていたもの。真ん中分けの長い髪にエキゾチックな顔立ち、黒っぽい服装にもの静かな雰囲気。なのに後に座っているオバチャンは何? あれは錯覚だったんだろうか。
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Wed.

vol.132 ブラックジャーナル

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 ブラックジャーナルって今でもあるのかなぁ。昔はかなりあった。右翼が作る左翼の雑誌なんてのもあったし。
 その人はある編集者に紹介された、「今度の仕事、この人と組んじゃって」というわけでコンビで仕事をすることになったが、この人がスゴイ。パラパラ原稿を見ながら、「ここは大臣のコメントが欲しいな」というと目の前の電話で時の大臣に電話をかけだした。かけ始めて1時間半。3つか4つのバリアーをクリアして見事にコメントを取ったのだ。世の中にはスゴイ人がいるもんだとつくづく思った。3つか4つの仕事を一緒にし、ある金融機関の取材が終った時、こう言った。「今度のは金にしようと思うんですよ」。え、じゃあ私が撮影した建物の写真なんかも恐喝のネタに使われるのかな。困ったなぁと思ってると、しばらくしてその会社の社長が逮捕されてしまった。「あの記事どうしました」と私、「ああいう悪人は社会的に制裁を受けるのが当然です。私も記事を被害者弁護団に送ってやりましたよ」あれっ。お金にするんじゃなかったなかったの。
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Sun.

vol.131 酒場のケンカ

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 昔の酒場はケンカが多かった。週末、繁華街の路地裏では本当にあちこちであっていた。たまたま何かの打ち上げで飲み屋にいた私達のところに、グラスが飛んできて、パリンとわれる。どうも向こうの席でケンカが始まったらしい。サラリーマン風の組と職人風の組、それぞれ3~4人が立ち上がって何か言い合っている。酒場のケンカ、それも他人のそれとなるといいツマである。私達もこちらにとばっちりが来ないよう、それとなく伺う。どうもサラリーマン組が職人組に対して、何か気に入らないことをしたらしく、それに職人組が怒っているらしい。いきなり職人組みがテーブルを頭の上に持ち上げ、投げた。その位置が絶妙。サラリーマン組の少し前に派手に転がった。ウマイ、こいつケンカ慣れしてる、そう思った時、隣の席のオジサンがテーブルを投げた男にグラス片手に近付いてこう言った。「まぁまぁ、地位も名誉もある方がどうしたんですか、一杯飲んでください」、ウマイ。オジサン、伊達に年取ってないよ。
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